「ドミニオンで強くなるには、どうすればよいのだろう?」
「うまくデッキを組むことができなくて、困っています…」
今回は、悩めるドミニオン初心者の方に、同じくドミニオン初心者を脱出したい筆者が、「初心者あるある」についてまとめてみました!
ドミニオンで、絶対にやってはならないミスを選抜したので、ぜひ最後まで読んでみてください!
なお、
「ドミニオンってどんなゲームなの?」
と思った方は、こちらの記事をご覧ください。
【脱初心者シリーズ】 第0部 ドミニオンって、どんなボードゲームなの?
※なお、この記事は第3回ドミニオンGPベスト4である、ひらきしさん監修のもと、作成しています。ひらきしさん、ありがとうございます!
結論 ドミニオンでやってはならないミス7選
初心者がやりがちなミスは、ずばりこれです!
ドミニオンでやってはならないミス7選
- ひたすら「村」を買い続ける(通称:Village idiot、村バカ)
- ターミナルアクションの買いすぎによる「手札事故」
- 銀貨・金貨だけ買ってしまう
- 序盤の余った購入権で、銅貨・屋敷を買う
- 圧縮をしない
- 財宝カードを買っていないことによる「金量不足」
- 戦略を途中で変えてしまう
それでは、見ていきましょう!
ひたすら「村」を買い続ける(通称:Village idiot、村バカ)
まず、「村」というカードの性能について、確認しましょう。
カード名 | コスト | 効果 |
村 | 3金 | ・アクション権を更に2つ増やす | ・山札から、カードを1枚引く
実は、「村」自体は弱くありません。むしろ、強いカードです。ドミニオンの顔といっても良いカードでしょう。
「え、じゃあ、強いカードなら、どんどん買っちゃえばよくない?」
はい、そうです。こう思いますよね?分かりますよ、その気持ち!だって、僕もこう考えていましたから!(笑)
だからこそ、この後の初心者さんの展開が、鮮明に目に浮かぶのです。
「村」のよろこび、「ぬか」よろこび
初心者の方が村を買い、実際に使い始めると、こう感じるはずです。
「あ、なんか1枚ドローできた!やっていて楽しい!アクション権も増えるし、サイコー!もっと買っちゃえ!」
それで、あなたはどんどん、「村」を買い占めていきます。当然、「村」を更に買っているので、数ターン経過すると、手札には3枚の村がある状態となりました。
そして、あなたはある事を思いつきます。
「あ、『村』って、アクション権が増えるんだよね?てことは、この手札にある、『村』、全部使えるってことじゃない!?てことは、トータルで、3枚も引けるってこと!?え、『村』って最強じゃん!!」
あなたは、うれしい気持ちになりながら、『村』を全部使います。
「3枚引ける!あ、なんか、どんどんアクションカードを使えている!うまくデッキを回せているってことだ!いいぞいいぞ!もっと!もっと村を買おう!」
あなたは、しめしめ顔で、村を買い占めました。しかし、更に数ターンすると、先ほどのウキウキ気分に、暗雲がたちこめます。
「あれ…、村でドローしたら、また村だ…良いカードきて!…あー、また村だー…ていうか、あれ、村しか買ってないから、村か、銅貨、屋敷しか、手札に来なくない?」
ハッと気づいたときには、もう遅いのです。あなたは対戦相手を見ます。すると、相手は何とも涼しげな表情で、事前に買っていた金貨を使って、属州を買い始めているではありませんか!?
残念ながら、この時点で、あなたの負けはほぼ確定してしまいました。
負けてしまった原因は何か?もうお分かりですね?
そう、「『村』しか買わなかったから」です。
なぜ、「村バカ」となってしまうのか
ここからは、「なぜ、ひたすら『村』を買い続けることがいけないのか」について話していきます。
主な理由は、下記の2つあります。
「村」を買い続けてはいけない、2つの理由
- 何度「村」を使っても、手札が増えないから
- デッキから生み出せる最高金量が、5金しかないから
何度『村』を使っても、手札が増えないから
「村」には「1枚カードを引ける」という効果があります。一見すると、手札の枚数が増えそうに見えますが、そうではありません。実際は、増えていないのです。
なぜなら、「村」そのものが、手札から消費されているからです。
手札枚数が、5枚ですね
手札枚数が、4枚になります
はい、手札5枚にもとどおり!
このように、手札枚数が、「村」の使用前後で全く変わっていません。当たり前すぎるロジック。冷静に考えればわかる事なのですが、「1枚カードを引ける」という言葉が、初心者を惑わせてしまっているのです。
デッキから生み出せる最高金量が、5金しかないから
「村」しか買わなかった場合、下記の財宝カードがデッキ内に入っていないことになります。
銀貨カード | 2金をゲットする |
金貨カード | 3金をゲットする |
デッキ内に入っているのは、1金しか手に入らない「銅貨」のみ。手札は5枚ですから、最大でも5金しか得られません。
これでは、最大勝利点を有する属州を購入するために必要な8金には届きません。純粋に財宝カードを買っている他のプレイヤーに後れをとるのは、仕方のないことなのです。
以上の理由から、「村」を買い続けるだけの行為は、全くと言っていいほど意味がありません。「村」を使用する際は、他のカードとセットで使っていく意識を持ちましょう。
補足 村人権について
「村を取り続けるのはよくないんですね!分かりました!」
と考えてくださった方にメッセージです!下記のような状況の時は、「村」をいち早く獲得することをオススメします!
「村」を早く取るべき状況2選
- 4人対戦になっている
- 他に強そうなカードがサプライにある
この2つの条件が当てはまっているときは、一目散に村をゲットしましょう!理由は下記のとおりです。
- 他の人も村を集めようとして、すぐに村がなくなってしまうから
- 村を持っていないと、敗北が濃厚になりえる状況だから
村は状況によって強さが大きく変わるカードです。取り扱いには注意しましょう!
村人権になるパターンはとても多いです。一番シンプルなのは、ビッグブリッジが狙えるようなサプライの時に、村人権になりやすいです。
↓↓ビッグブリッジについては、こちらから↓↓
ドミニオン戦術解説:ビッグブリッジ解説【橋】
複数回打ちたいカードがある場合は、村を買っていくつもりでいきましょう。
ターミナルアクションの買いすぎによる「手札事故」
「ターミナルアクション?手札事故?」
これらの用語の意味を、理解できていない方もいらっしゃると思います。
安心してください!筆者も、執筆前まで知りませんでした!( ・´-・`)ドヤ
というわけで、用語の解説を先にします。
ターミナルアクション | アクション権が増えないカードのこと |
手札事故 | 手札に必要なカードが引けず、有効な行動ができないこと |
ターミナルアクションの具体例
「アクション権が増えないカードのこと」と言われても、ピンとこない方もいらっしゃると思います。そこで、ターミナルアクションのカードと、それ以外のカードを比べてみましょう。
ターミナルアクションの具体例 | ・山札から、カードを3枚引く | 「鍛冶屋」
ターミナルアクション以外の具体例 | ・山札から、カードを1枚引く ・アクション権を更に2つ増やす | 「村」
ターミナルアクションの具体例として、「鍛冶屋」をあげました。「村」と決定的に違う部分は分かりますか?
そうです。「アクション権を更に2つ増やす」という効果が入っていないことです。
今の具体例で分かったと思うのですが、「アクション権を増やす」という効果が入っていないカード全般は、「ターミナルアクション」と呼ばれています。
「ターミナルアクション」の特徴
「ターミナルアクション」の特徴は、ざっくりとこんな感じ。
- アクション権が増えない
- 強力な効果がついている
「アクション権が増えない」のがデメリット。これに対して、「強力な効果がついている」のが、メリットになっています。
「強力な効果」の具体例は、下記のとおり。
魔女 | ・他の相手は、「呪い」を獲得する | ・山札から、カードを2枚引く
議事堂 | ・購入権を1回増やす ・他の相手は、1枚カードを引く | ・山札から、カードを4枚引く
※念のため、「呪い」の効果を再確認しておきましょう。
呪い | ・勝利点がマイナス1点される (これ以外の効果なし) |
具体例を見てもらえれば分かると思うのですが
「なんか、つよそう!」
と感じませんか?そして、だからこそ
「絶対、買わなきゃ!」
と、考えますよね?そうですよね?考えちゃいますよね?分かりますー、筆者もこう考えてたんですー!(笑)
けど、ここに罠があるのです!!
ターミナルアクションの罠
あなたは今、ドミニオンのゲームに参加しています。準備を終えて、サプライを確認すると、あなたのテンションが上がりました。なぜなら、
- 鍛冶屋
- 魔女
- 議事堂
といった、ターミナルアクションが目白押しだったからです!
「うわー!めっちゃ強いカードがそろってるー!」
と、ウキウキなあなた。最初にこれらのカードを買うために、あなたは財宝カードをそろえていきます。その後で、あなたは、こういった買い方をしました。
- 4金がそろったら、ひたすら「鍛冶屋」を買う
- 5金、もしくは6金がそろったら、ひたすら「魔女」と「議事堂」を買う
この買い方をして、さらに数ターン後、手札はこんな感じになりました。
- 銅貨
- 屋敷
- 鍛冶屋
- 魔女
- 議事堂
このラインナップを見て、あなたのワクワクは止まりません!
「強力なカードのフィーバー、キタコレ(*^▽^*)!」
そして、あなたはこう考えました。
「1ターンに1枚しかカード使えないし、迷っちゃうなー。やっぱり、相手の邪魔ができる『魔女』を使おっかなー。よし、『魔女』!キミに決めた!」
そして、あなたはホクホク顔で「魔女」を使いました。相手は残念そうに、「呪い」カードを獲得します。
あなたは「魔女」の効果で、山札からカードを2枚引きました。手札のラインナップは、こんな感じに。
- 銅貨
- 屋敷
- 鍛冶屋
- 議事堂
- 魔女×2枚(ドローしたため)
「あー、これらのカード、使い切れなかったな!仕方ない!次のターンに期待しよう!」
あなたは、そのまますべての手札を捨てて、何も購入せず、ターンを終えました。
…さて、ここで一度、冷静に考えてみましょう。この一連の流れに、何か違和感を感じませんか?
「なんか、もったいない気がする…」
と感じたのなら、その感覚は間違っていません。
今の一連の流れは、まさに「手札事故」を起こしていたケースなのです。
「ターミナルアクション」は使い切れなかったら、「呪い」と同じ
ここで、改めて「手札事故」の定義を再確認しましょう。
手札事故 | 手札に必要なカードが引けず、有効な行動ができないこと |
今回紹介したケースでは、「有効な行動」ができていません。何ができていないか、分かりますでしょうか?
そう、購入ができていないのです!
もし、仮に最初の手札が
- 金貨
- 銅貨×2枚
- 屋敷
- 魔女
だったとします。そして、「魔女」の効果で2枚ドローしたあと、手札が
- 金貨
- 銅貨×2枚
- 屋敷
- 銀貨×2枚(ドローしたため)
と変化したのなら、あなたは8金が手元にそろうため、「属州」を買えていたはずなのです!
では、なぜ「属州」を買えなかったのか?理由は単純です。「ターミナルアクション」を買いすぎたからです。
今回紹介したケースのように、「ターミナルアクション」をたくさん引いても、かえって邪魔になってしまいます。ありすぎる「ターミナルアクション」は、「呪い」と一切変わりません。
そのため、「ターミナルアクション」の購入目安を覚える必要があります。状況ごとの目安は下記のとおり。
「村」のようなカードがなく、アクション権を積極的に増やせない場合 | 多くても3枚程度 |
「村」のようなカードがあり、アクション権を積極的に増やせる場合 | 4~5枚入れる余地が出てくる |
「ターミナルアクション」は「手札事故」の元です。くれぐれも、買いすぎには注意しましょう!
銀貨・金貨だけ買ってしまう
「なるほどねー、ターミナルアクションを買いすぎると良くないのか!それなら、財宝カードをドンドン買っていった方がよさそうですね!」
と思ったそこのあなた!ご注意ください。「世の中、金が強いのじゃー!」と考えて、「銀貨・金貨しか買わない」戦略を採用すると、今度はお金に泣くことになってしまいます(>_<)
お金好きの末路
「お金しか見てない人は、どこか不幸だよね」
と感じるのは、決して世の中だけではありません。ドミニオンの世界にも当てはまります。
ここに、お金大好きプレイヤーがいます。この人は、サプライのアクションカードには、一切目を向けません。なぜなら、アクションカードを買うつもりが一切ないからです。
彼の戦略は、とても単純。
- 3~5金があったら、銀貨を買う
- 6~7金があったら、金貨を買う
- 8金があったら、属州を買う
これ以上ないほど、シンプルな戦略です。考えることがありません。しかも、この戦略、なんとこんな利点があります。
- そもそも村を買っていないから、村バカにならない
- ターミナルアクションを買いすぎるという心配もいらない
今まで学んできた、「初心者にありがちなミス」を全て犯していません!素晴らしい!これはもう、お金好きプレイヤーの圧勝かもしれませんね!(*´ω`)
さて、対戦相手は、サプライをきちんと確認してから、対戦に臨んでいる様子です。どうやら、対戦相手は「鍛冶屋」に目を向けているようです。
お金好きプレイヤーは、数ターンの間、相手の購入の様子を見ていました。対戦相手は、こんな買い方をしているようです。
- 3金があったら、銀貨を買う
- 4金があったら、「鍛冶屋」を買う(1~2枚程度)
- 6金がたまったら、金貨を買う
お金好きプレイヤーは、内心ほくそえみます。
「ふふ、このプレイヤーは、『ターミナルアクションによる手札事故』のことを知らないな?『鍛冶屋』を買っている時点でね、僕の財力に負けているんだよね!はい、オツオツー!これは、僕の勝ちですな!(*^▽^*)」
ところが数ターン後、お金好きなプレイヤーは、少し焦りだします。なぜなら、このような手札が、何度か来てしまったからです。
- 屋敷×2枚
- 銀貨×2枚
- 金貨
一見すると贅沢な手札ですが、計算すると7金です。「属州」を購入するのに必要な8金にはわずかに届きません。また、アクションカードがないため、「カードを更に引く」といったアクションが起こせなかったのです。
「いや、まあこんなことがあるのも、ドミニオンだよ。ここは、我慢の一手だよね」
仕方なく、お金好きプレイヤーは、金貨を買うことにしました。
対戦相手は、最初に「鍛冶屋」を使用して、山札から3枚引きました。そして、対戦相手は、自分の手札を全てさらけ出します。
- 屋敷×1枚
- 銀貨×2枚
- 金貨
- 銅貨×3枚(鍛冶屋の3枚ドロー分)
手札の財力は、合計10金。「属州」の購入に必要な8金の条件を満たしています。対戦相手は、悠々と「属州」を買っていきました。
その後も、似たような展開が続いてしまいます。最終的に、お金好きプレイヤーは「属州」を2枚しか購入できず、このゲームで負けてしまいました。
財宝しかないのも「手札事故」
なぜ、このような事態になってしまったのでしょうか。ここで改めて、「手札事故」の定義を思い出してみましょう。
手札事故 | 手札に必要なカードが引けず、有効な行動ができないこと |
今回のケースでも、「有効な行動」ができていません。それは何でしょうか?
もうお気づきだとは思いますが、「アクション権を使う」という行動ができていないのです。
ここで、改めてドミニオンで行われる3つのフェイズについて確認してみましょう。
ドミニオンでは、手番中、次の3つのフェイズが行われます。
手番中に行えること3つ
- アクションフェイズ
- 購入フェイズ
- クリーンアップフェイズ
ここで注目してほしいのが、「アクションフェイズ」と「購入フェイズ」です。
「手札事故」の原因として、今まで2つ挙げています。
- ターミナルアクションの買いすぎによる「手札事故」
- 銀貨・金貨だけ買ってしまう
これらは、いずれも対応するフェイズで、きちんとした処理を行えていませんでした。
ターミナルアクションの買いすぎ | 「購入フェイズ」で購入できていない |
銀貨・金貨だけ買う | 「アクションフェイズ」でカードを使えていない |
フェイズをきちんと行いきれなかった場合、全て「手札事故」になってしまったと思っても差し支えありません。
これらを行いきれなかった場合、フェイズをきちんと行っているプレイヤーに後れをとってしまうのは、ある意味当然なのです。
「手札事故」を起こさないためには、フェイズを活かしきる。この意識があるだけでも、最悪な事態を防げると思います。
余った購入権で、銅貨・屋敷を購入する
「なるほど、フェイズを意識するのが大事なのか!てことは、購入フェイズでは、絶対に買い物をしないといけないんですね!ありがとうございます!これで、ドミニオン強くなれそうです!」
と思い直しくれた、そこのあなた!ありがとうございます!僕の記事で考え直してくれたのなら、とても嬉しく思います!(´Д⊂ヽ
だがしかーし!なんですよ!「手札事故」にならないために「フェイズを意識する」ことの大切さを話しておいて、なんですけど…
やりすぎると、それもまた「手札事故」になるんですね…(ドミニオンって、難しい(>_<))
圧迫されていく、手札
あなたは、とあるドミニオンのゲームに参加しています。今まで学んできたことを活かして、次のような意識を持ちながら、対戦しています。
- 村バカにならないぞ!
- ターミナルアクションを買いすぎない!
- 財宝カードだけ買いすぎることはしない!
- 購入フェイズを活かしきるぞ!
さて、そんなあなたに、序盤に悩ましい手札がやってきました。
- 屋敷×3枚
- 銅貨×2枚
サプライを見渡すと、2金で買えるアクションカードがありません。
「あー、これって、なんかもったいないなー…。購入フェイズスキップするのは、なんかいやだな…。」
あれこれ悩んでいると、あなたはあるカードに目がとまりました。
サプライの中にある、「屋敷」です。
あなたはこう考えます。
「あ、屋敷買えるじゃん!屋敷自体に効果はないけど、1勝利点になるからねー。最終的には、勝利点が大事になるんだから、買っておいて損はない!購入フェイズを無駄にしたくないしね!」
あなたは、屋敷を買うことにしました。
さて、更に数ターンすると、今度はこんな手札がやってきました。
- 屋敷×4枚
- 銅貨
手札には1金しかありません。
「あー、購入フェイズ活かしきれないのかー?もったいないなー…」
と悩んでいると、なんと、あるではありませんか!0金でも買えるものが!
そう、われらが銅貨!銅貨は、タダで買えてしまうのです!
「やったね!タダで買えるとか、神アイテムじゃん!よし、購入フェイズを活かしきるために、銅貨を買うぞ!」
と、意気揚々と、銅貨を購入しました。
その後は、似たような行動を続けます。
- 2金がたまったら、屋敷を買う
- 1金以下なら、銅貨を買う
こんなことをしていたら、いつの間にか、相手は属州を全て買ってしまいました。
最終的な勝利点は、こんな感じに。
あなた | ・屋敷×10枚 |
・勝利点:10点 | |
相手 | ・属州×8枚 |
・勝利点:48点 |
完全なる敗北です。購入フェイズを活かしたはずなのに、何がいけなかったのでしょうか。
とにもかくにも、銅貨と屋敷は弱い
例えば、次のような手札が来たとき、あなたはどう感じますか?
- 屋敷×5枚
「この手札、サイアクじゃん!!」
と、たいていの人は感じるはずです。なぜ、サイアクなのか?理由は先ほども話した、「手札事故」と関係があります。
この手札だと
- アクションフェイズを行えない
- 銅貨以外を購入できない
という、2つの苦しみがあるのです。
この手札が連続してくるとしたら?考えるだけで怖いですね。
- 自分が有利になる行動ができない
- 勝利に必要な「属州」を買えない
このような事態になってしまうのが、容易に想像できると思います。
また、この手札も決して良いものではありません。
- 銅貨×5枚
確かに、購入フェイズを行うことはできますが、アクションフェイズを行える手札ではありません。フェイズを有効に活かし切れていないという意味では、これも「手札事故」と言えます。
つまり、何が言いたいかというと「屋敷と銅貨は購入してはならない」ということです。なぜなら、これらを購入すると、先ほどのような「手札事故」が起きる可能性が大きくなるからです。
なお、銅貨と屋敷のカードの弱さについては、「平均金量」という観点からも説明することができます。
「平均金量?」
と思われた方も多いと思います。「平均金量」について理解するには、まず「圧縮」について説明する必要があります。
圧縮をしない
「圧縮って、なんですか?」
と思われた方もいらっしゃると思うので、まずは「圧縮」について話します。
「圧縮」の話をするために、「廃棄」という言葉も同時に説明します。
廃棄 | ・ゲームから除外され、山札には戻ってこない | ・カードを廃棄置き場に置く行為のこと
圧縮 | ・廃棄を繰り返して、山札の枚数を減らしていくこと |
「え、カードを減らすんですか!?もったいなくないですか!?」
と思われた方へ。ご安心ください。圧縮は、とても強いんです!
デッキの加速が、止まらない!
あなたは、とあるドミニオンのゲームに参加しました。あなたは、次のような意識を持ちながらプレイしています。
- 村バカにならない
- ターミナルアクションを買いすぎない
- 財宝カードをほどほどに買う
さて、そんなあなたは、見慣れないとあるカードに目が留まりました。それが、「礼拝堂」です。
礼拝堂 | あなたの手札から、最大4枚までのカードを廃棄する |
「え、なんかこのカード、弱くない?」
あなたは、次の理由から、このカードをあまり高く評価しませんでした。
「銅貨と屋敷は、どっちも必要なカードでしょ?銅貨は1金を生むし、屋敷は1勝利点。廃棄するなんてもったいない!」
「これ、ターミナルアクションじゃん!これ使ったら、そのターンは終わりじゃん!」
「4枚廃棄したら、そのターンの購入フェイズに、何もできないじゃない!」
あなたは、「礼拝堂」には目を向けず、銀貨や他のアクションカードを買うことにしました。
それに対して、対戦相手は「礼拝堂」を購入しました。そして、相手は次のようなことをしました。
- 「礼拝堂」が手札に来たら、屋敷と銅貨を廃棄していく。
- 3金がたまったら、銀貨を買う
- 6金がたまったら、金貨を買う
あなたは、相手のこの行動に疑問を感じながら、プレイをしていきます。
更に数ターンすると、あなたの手札はこんな感じになりました。
- 屋敷×2枚
- 銅貨×1枚
- 銀貨×2枚
合計5金があったため、サプライにあった「魔女」を購入しました。相手に「呪い」を送り付けようとしたのです。しかし、この次のターン、相手は手札を公開しました。
- 銀貨×3枚
- 金貨×2枚
なんと、すでに12金を抱えていたのです!相手は余裕な表情で、「属州」を購入しています。
「え、早くない!?」
あなたは、相手があまりにも早く属州を購入しているのに驚きました。せめてもの邪魔をしようと、数ターン後にあなたは「魔女」を発動しました。
「相手に呪いを送り付ければ、勝利点も減らせるからね!」
と考えたのですが、相手は全く気にしていない様子です。相手はその数ターン後に改めて「礼拝堂」を発動。せっかく送り付けた「呪い」を、すぐに廃棄してしまいました。
それだけではありません。残った手札構成が
- 銀貨
- 金貨×2枚
であったため、更に「属州」を購入。あなたは、相手の展開に早さに恐れながら、敗北してしまいました。
「平均金量」という考え方
なぜ、圧縮が強いのか?その理由は、「平均金量」にあります。
「平均金量」とは、あなたのデッキ枚数に対して、1枚あたりのカードに期待できる金量の平均値をさします。
数式にすると、こんな感じです。
- 平均金量=(デッキ内の金量の合計値)÷(デッキの枚数)
例えば、先ほどの負けてしまったデッキの内訳を考えてみましょう。おおよそ、こんな感じになっているはずです。
- 銅貨×7枚
- 屋敷×3枚
- 銀貨×5枚
- その他アクションカード×5枚
これを先ほどの式に当てはめてみます。
- デッキ内の金量の合計値=17金
- デッキの枚数=20枚
- 平均金量=0.85金
つまり、このデッキの場合ですと、1枚に期待できる金量は0.85金です。ドミニオンの手札は5枚ですから、
- 0.85金×5枚=4.25金
となります。つまり、1回の行動に期待できる金量は4.25金程度ということを意味しています。
対して、対戦相手が属州を購入する前のデッキを考えてみましょう。おそらく、こんな感じになっているはずです。
- 銀貨×5枚
- 金貨×4枚
- その他アクションカード×5枚
これを先ほどの式に当てはめてみます。
- デッキ内の金量の合計値=22金
- デッキの枚数=14枚
- 平均金量=1.57金
となり、
- 1.57金×5枚=7.85金
となります。つまり、1回の行動につき、7.85金期待できるということになります!うまくいけば属州も買えるでしょうし、アクションカードを使うと、さらに期待値が上がります。
この両者の違いを生んでいるのは何か?デッキ内訳を、もう一度見比べてみると、こんな感じです。
「平均金量」の差を生み出している要素2選
- 屋敷と銅貨が入っているかどうか
- 金貨が入っているかどうか
これだけです。このことから、一般的には、次のような関係性が見えてきます。
屋敷 | 平均金量を下げる |
銅貨 | 平均金量を上げない (1金しかないため) |
金貨 | 平均金量を上げる (3金あるため) |
さて、先ほど「屋敷と銅貨は購入すべきではない」という話をしました。「平均金量」という考えで、屋敷と銅貨を見てみると、弱いカードになってしまうことが、改めて分かるかと思います。
話を戻します。「圧縮」がなぜ強いのか?「平均金量」という視点で考えると、理由はこうなります。
圧縮が強い理由2選
- 平均金量を下げる弱いカードを、除外できるから
- 平均金量を上げる強いカードを引く確率を、上がられるから
このことから、「圧縮をしない」というのは、自分を不利にする行為である事が分かるかと思います。
財宝カードを買っていないことによる「金量不足」
「なるほど!圧縮って凄く強いんですね!次からやってみよう!」
と思い直しくれた、そこのあなた!ありがとうございます!僕の記事で考え直してくれたのなら、とても嬉しく思います!(´Д⊂ヽ(2回目)
しかし!圧縮もまた、やりすぎると、とんでもないことになりかねません…。
カード全部を引き切ったんだけど…
あなたは、とあるドミニオンのゲームに参加しました。サプライの中には
- 村
- 鍛冶屋
- 衛兵
が含まれていました。ここで、「衛兵」のカードについて説明します。
衛兵 | ・アクション権を1回増やす ・デッキの上から2枚のカードを見て、その中から好きな枚数を廃棄し、好きな枚数を捨て札にする。 残ったカードを好きな順番でデッキに戻す。 | ・山札から1枚カードを引く
このカードをみて、あなたはいくつかのメリットがある事に気が付きました。
「衛兵」のメリット2選
- ターミナルアクションではないため、手札事故になりにくい
- 圧縮を行える
このことから、あなたはこれら3つのカードを見て、次のプランを立てました。
- 3金がたまったら、ひたすら「村」を買う
- 4金がたまったら、買いすぎない程度に「鍛冶屋」を買う
- 5金がたまったら、「衛兵」を買う
- 「銅貨」や「屋敷」を、「衛兵」で廃棄する
という戦略を取ることにしました。数ターン経過すると、あなたは
- 「村」のアクション権増加
- 「鍛冶屋」による手札ドロー
- 「衛兵」による廃棄
のすべてをうまく使いこなし、デッキを引き切ることに成功しました。
「よし!これで、購入だ!」
と思って、ワクワクしながら手札を見ます。すると、あなたの顔から、サッと血が引いていきました。
それもそのはず。なぜなら、手札には、3枚の銅貨しかなかったからです。
ドミニオンの目的は、デッキを回すことではありません
なぜ、このような事態になってしまったのでしょうか?理由は、「目的のはき違え」にあります。
ドミニオンを数回遊んでいると、デッキを回すことに夢中になっていきます。デッキがうまく回ることを「コンボ」というのですが、このコンボが、楽しくもあり、同時に曲者でもあります。
「コンボ」を成功させていくと、
「もっと華麗に、デッキを回したい!」
という欲が湧いてきます。この「コンボを決めたい」欲求自体は、ドミニオンの醍醐味でもあるため、ごく自然に湧いてくるものです。なので、基本的には問題ありません。
しかし、何事も「過ぎたるは、及ばざるがごとし」。「コンボを決めたい」という欲求が行き過ぎると、いつしか「コンボを決めること」自体が目的になってしまうのです。
ドミニオンの目的は「勝利点を一番多く稼ぐこと」です。「デッキを回して、芸術点を稼ぐ」のは、しょせん自己満足でしかありません。
そして、勝利点を稼ぐために1番有効なのが、「属州を買うこと」です。「属州」を買うのに必要なことは何か?「手札内に8金をそろえること」なのです。
こういった観点から、先ほどの戦略をもう一度振り返ってみましょう。
- 3金がたまったら、ひたすら「村」を買う
- 4金がたまったら、買いすぎない程度に「鍛冶屋」を買う
- 5金がたまったら、「衛兵」を買う
- 「銅貨」や「屋敷」を、「衛兵」で廃棄する
戦略自体は悪くはありません。むしろ、筆者自身も、この戦略を採用することもあるほどです。しかし、「財宝を買う」という視点が抜けてしまっています。
この戦略に、更に次の2つを足すと良かったかもしれません。
- 3金がたまったときは、ときどき「銀貨」を買う
- 6金がたまったときは、ときどき「金貨」を買う
財宝カードに対するケアが足りないと、「手札内に8金をそろえること」ができなくなります。それはすなわち、ドミニオンで勝利できない、ということを意味しているのです。
デッキが「金量不足」にならないように、財宝カードへのケアも大事にしましょう。
戦略を途中で変えてしまう
最後の、初心者がやりがちなミスとして、「戦略を途中で変えてしまう」というものがあります。これは、私自身もやってしまったミスなので、ぜひともお伝えしたいと思っています。
相手が使ったカードが、強そうに見えちゃって…
あなたは、とあるドミニオンのゲームに参加しています。まず、サプライを見てから、次のような戦略を取ることにしました。
- 基本的には財宝カードを中心に買っていく
- 手札事故にならないように、ドロー系のターミナルアクションを買う
- 6金そろったら、問答無用で金貨を買う
- 8金そろったら、問答無用で属州を買う
※なお、この戦略は「ステロイド」と呼ばれています。デッキタイプについては、第2部にて執筆する予定です。
それに対して、相手は積極的にアクションカードを買っているようです。更に数ターンすると、相手はいかにも
「ずっと、俺のターン!!」
とでも言いたげな表情を浮かべながら、デッキをドンドン回していきます。この動きに、あなたは思わず見とれてしまいました。
「ああ、あのカード、強そうだな」
と考えて、途中から戦略を変えることに。
- 財宝カードを買わずに、相手が買っていた強そうなカードを買う
しかし、途中で戦略を変えたことにより、当初から構築を進めていた相手に、どんどん後れを取っていきました。
結果として、相手に属州を買われて、ゲームに負けてしまいました。
最初に決めたなら、それを貫くのが最強
思わず相手の動きに見とれてしまうことは、誰にでも一度は経験がある事でしょう。しかし、だからと言って、途中から戦略を変えてしまうと、まさに「二兎追うものは、一兎をも得ず」状態になります。
現実世界でもそうです!隣に彼女がいるのに、ホステス嬢から声をかけられて、ふらふらと、ついていくような男に、この後、どんな災難が降りかかるのか、簡単に想像がつきます。
絶対に、修羅場なるからね、これ!!!!!(;゚Д゚)
ドミニオンでも同じです。浮気したら、一途な戦略者に後れを取るのです!
浮気者に、勝利の女神はほほえみません!!!!!(; ・`д・´)
(P.S.なんか、最後はごり押し気味な説明だなー…)
まとめ
最後に、初心者がやりがちなミスをもう一度おさらいしましょう!
ドミニオンでやってはならないミス7選
- ひたすら「村」を買い続ける(通称:Village idiot、村バカ)
- ターミナルアクションの買いすぎによる「手札事故」
- 銀貨・金貨だけ買ってしまう
- 序盤の余った購入権で、銅貨・屋敷を買う
- 圧縮をしない
- 財宝カードを買っていないことによる「金量不足」
- 戦略を途中で変えてしまう
この記事を参考に、ぜひ、ドミニオンで楽しんでみてくださいね!
また、監修して頂いたひらきしさんにお礼を申し上げます!記事の修正にご協力いただきまして、本当にありがとうございました!(*´ω`)
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